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社団法人 日本ピアノ調律師協会会員店 ピアノ公正取引協議会会員店 |
2020/08/20 最近のピアノ修理例:アップライトピアノのブライドルテープ交換
新型コロナショック後、自宅でゆっくりピアノを弾く人が増えています。今まで弾かなくなり毎年の調律や調整から遠ざかっていたピアノの修理・メンテナンスの仕事が増えています。最近のアップライトピアノの修理をご紹介致します。今回はブライドルテープの交換修理です。
ブライドルテープとは上のアップライトピアノのアクション模型の赤丸で囲まれた部品になります。もう少し拡大してみます。
ブライドルテープがどのような役割をしているかと言いますと、ハンマーが弦を打った後に次の打弦に備えて元の位置に戻るためのサポートをしています。下についている部品(ウイペン)の重さをハンマー(バット)に伝えることで引っ張り戻します。普段は上の写真のようにテープが緩んだ状態ですが、打弦後に鍵盤を戻すと下の写真のようにテープがピンと張っています(矢印の方に引っ張られています)。
グランドピアノは垂直方向にハンマーが上がって打弦しますので、重力でそのまま元の位置に返る(落下する)のですがアップライトピアノの場合はブライドルテープのようなハンマーを戻すための部品が必要になります。
この部品が経年劣化で切れてしまうと連打が出来なくなりますので、とっても弾きにくいです。また、テープの先についていてテープを留めている赤い部品(ブライドルチップ)も劣化してちぎれてしまっていたり、弾くと雑音を生じたりすることがよくあります。
今は少なくなりましたが、昔はネズミがピアノの中に入り込むことがありました。その際にネズミが巣を作る材料として、なぜかブライドルテープはよくかじられて持っていかれました。
アップライトピアノをお持ちの方で連打がしにくいなどお心当たりの方はぜひご相談下さい。